コラム

“耳をすませば”(近藤喜文監督)―夢を見る方法

これは、1995年制作のアニメ映画である“耳をすませば”(近藤喜文監督)を真剣に観た、その記録である。 個人的な話から始まる。私はこの作品が好き、というより、特別な感慨をもっている。生まれたときに住んでいた町が、そのときの風景で、舞台になっ...
周年記念記事

寒宵堂七周年

好きな本について、「好き」と同じくらいの強さで、いつも「なぜ?」と思っています。なぜ幸福だと感じるのか。あるいは、なぜ今でも恐ろしいのか。なぜ本当にあった話のように感じるのか。なぜ別の話をしているように感じるのか。 私は好きな作品とのあいだ...
イラスト

蛇行する川のほとりイラストまとめ

恩田陸著『蛇行する川のほとり』のイメージイラスト、らくがきのまとめです。 初出のもの、いままでに他所で発表したもの、過去の雑誌読者投稿など。★毬子(上)と真魚子(下) 初期案。元は、前回記事(『蛇行する川のほとり』(恩田陸)―絵のなかの遠い...
本の話

『蛇行する川のほとり』(恩田陸)―絵のなかの遠い黄昏

彼女の長い髪と肩の輪郭が、踊り場の高い窓から差し込む光にきらきらと輝いていたのを覚えている。恩田陸著『蛇行する川のほとり』文庫版p.12より「あたしたち、絵を仕上げなくちゃいけないわ」  彼女は、おもむろにそう言った。同p.13より 毬子は...
イラスト

名探偵イラストまとめ

国内本格ミステリの「名探偵」を描いたものをまとめました。他所で過去に発表したものや未発表だったもの、今回思いたって描いたものがあります。 90年代から00年代作品が主ですが(好きなので)、もうちょっと昔のひともいます(好きなので)。でも、改...
カード

クリスマスカード(アビと宵里と謎の少年)

今年のクリスマスカードです。去年に続いて、長野まゆみ著『天球儀文庫』所収、“夜のプロキオン”より。 謎の少年の闖入で、休暇先に向かう特急列車に乗りそこなったアビと宵里は、にぎわう駅を引き返し、家族の出はらった家に戻って、静かなクリスマスイブ...
寒宵堂雑記

寒宵堂日々(イラストエッセイ)

私信より。この秋、はまっていたもの。その1、ほっとうめ。 カルピスのように、お湯や水で割って飲むタイプの甘い飲みものなのですが、これを紅茶で割ったものがおいしい。華やかな梅の香りと、紅茶が(意外に)合う。プラムやスモモっぽい。寒い夜にぴった...
本の話

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』(吉田篤弘)―黄金色のスープ

丁寧に作られたサンドイッチや「おふくろの味」のスープから、暮らしの手触りが生き生きと伝わってきた。まずそれを、素敵だ、やってみたい、と思ったのを覚えている。ただ、この物語を最初に読んだとき私はあまりにも子どもで、「やっぱりもっと、商店街の事...
画と画材の話

地蔵堂の秋

児童書でときどき見かける、本文を押しのけて入る不定形の挿絵ふうです。あれ、好きなのです。 イラストの端の部分は、データ化した画像を処理したのではなく、実際に紙の上でマスキングしています。3Mのマスキングテープ(黄色のテープ)と、ホルベインの...
イラスト

ルミらくがき、『黒い釜』試論

ここのところ図書館で天沢退二郎を返して、天沢退二郎を借りていく人になっています。 『オレンジ党と黒い釜』の冒頭の、謎の引き込み線の部分(不気味で大好きなのだ)だけ読むつもりで、最後まで全部読んでしまいました。これはいつかこのブログの“本の話...