クッキング

ココア入り珈琲

午后の授業を終えた少年たちは、冬の休暇明け以来、久しぶりに鉱石倶楽部に立ち寄った。「来週のイオン・ロケット打ち上げ中継の観覧席、確保してくれて助かるよ。お礼に何か奢ろうか。」いつもどおり店台の椅子に落ちついたところで、銅貨がそう云うと、水蓮...
本の話

『天体議会 プラネット・ブルー』(長野まゆみ)―すきとおった夜天の下の孤独

冬の冴えた夜天を見上げる。シリウスを目印におおいぬ座を見つけ、その前足と後足であるβ星とζ星を結んだ直線を、水平線に向かって延長する。 りゅうこつ座の一等星であり、全天で2番目に明るい星であるカノープスの見つけ方です。 この作品を読んで以来...
イラスト

長い髪の不思議な上級生

以前、『月光ゲーム』を読んだ友人(女子)が探偵役の容姿を「江神さん、かっこいいんだけど、80年代に長髪っていうのがね、“もふぁっ”とした感じのヤツしか思い浮かべられなくてイマイチ……」と変なところで残念がっていたので描いたもの。 しかし、昭...
本の話

『月光ゲーム Yの悲劇 ’88』(有栖川有栖)―フェアかつファウル

夏が終わります。ギリギリすべりこみで、この本の話をしておきたいのですが、間に合いますか、夏。 まだコーンフレークもスイカも食べてないし、サンダルも1回しか履いてないし、『月光ゲーム』も読み返してないのに何で終わるんだ、夏。短い。 推理小説家...
本の話

『幻狼神異記』シリーズ(横山充男)―野性の呼び声

およそだいたいの児童書は、中盤くらいまで読むと、書き手が「何を是として」「結論をどこに着地させたいのか」おぼろげにでもわかるものなのだけど、このシリーズは難しかった。 もちろん横山充男さんはわざとそうしていて、『児童文学の書き方』という著書...
本の話

『北斗学園七不思議』シリーズ(篠田真由美)―魔女の系譜

物語を形作る主要人物の系図が、「本人(男)、父、祖父、(父と違う価値観を持つ大人としての)伯父、(同性の)親友」で閉じている物語はたくさんある。 ありすぎていちいち気に留めないほど存在します。 「父から息子へ受け継がれる力」というのは普遍的...
画と画材の話

つめたい雨の日(とサクラポスカラEX)

蝦夷梅雨です。さむい。 北海道は梅雨がないということになっていますが、実際はこの時期、冷たい雨がしとしと降るのです。 寒さに負けて今朝はストーブなんかつけてしまった……。 週末出かけて行った喫茶店では、暖炉(!)が燃えていたから、まあいいか...
本の話

『詩はどこに住んでいるか』(天沢退二郎)―詩人と散歩に出る

これは詩人、童話作家である天沢退二郎のエッセイ。 実は“現代詩手帖”に詩論として連載されていたものですが、天沢先生が千葉市周辺を歩き回った描写がそのまま比喩になって現代詩のことを論じているという・・・一風変わった本なので、ぱっと見はエッセイ...
寒宵堂雑記

ゴールデン原稿ウィーク・・・のはずが

風薫る五月になりました。 ……こんなにヒマな五月連休は久しぶりです。 『かつくら』がリニューアル休刊しているせいで、五月連休が「ゴールデン原稿ウィーク」じゃないんですね。 雑誌『小説ファンブック かつくら』は、春号が毎年4月25日頃に発売さ...
本の話

『レメディオス・バロ 予期せぬさすらい』(ジャネット・A・カプラン)―地続きの奇妙な世界

『ニコルの塔』を取り上げたからには(以前の『ニコルの塔』(小森香折)―名前をめぐる冒険という記事です)物語にかかわっている画家のレメディオス・バロのことも書いておきたい、と思っていたのでした。 レメディオス・バロ(1908-1963)はスペ...