長野まゆみ

本の話

『超少年』(長野まゆみ)―ヴァイオレットの向こう側

どうして菫色なんだろう。そういえば。 長野まゆみの小説にはたびたび菫色のモチーフや、菫色の瞳を持つ少年が登場する。私の記憶にとりわけ印象的に残っているのは『テレヴィジョン・シティ』に出てくる才気煥発な少年、イーイーだ。彼の瞳は菫色で、彼が訳...
カード

クリスマスカード(水蓮の冬の休暇)

冬の休暇のことを考えてると、もう授業なんて手につかないね。 今年のクリスマスカードです。ちょっと幼い、『三日月少年漂流記』くらいの水蓮かな。 長野まゆみ作品のクリスマスの楽しそうなことといったら。あんな町にいたら、それこそ12月に入った瞬間...
クッキング

アビと宵里のアイスドロップ

宵里はクーラーボックスに手をのばし、ためらわずにパイナップルを取りだした。それらのアイスドロップは昨日の罐詰で作ったものだ。といっても手間はかゝらない。罐入りフルウツをシロップごとジュウサーで攪拌する。それをボール型が十二個ならんだ製氷皿に...
本の話

『雨更紗』(長野まゆみ)―水鏡が揺らぐとき

ページを開いた時に、これから起こることが直感される。 それは筋が読めてしまうのとは違う。これから起こることの必然性を語るような、この書き出しがなんともいえない。 掘割の墨面に、碧く水銹が浮いている。雲はひくく垂れ、通り雨を予感させる温んだ風...
カード

鉱石倶楽部と氷州石

なにかいいことがあったらしい銅貨と水蓮、鉱石倶楽部で乾杯。 いや、彼らのことだから、案外なんでもない日なのかも。 鉱石倶楽部というのは、『天体議会 プラネット・ブルー』(長野まゆみ著)に出てくる、主人公の少年たちが行きつけにしている店です。...
カード

クリスマスカード(水蓮と銅貨)

今年のクリスマスカードは長野まゆみの『天体議会』から、水蓮と銅貨を描きました。 クリスマスイブは天河市場(てんがプラザ)で待ち合わせ。 何年か前の冬まつりの露店で、熱々のホットチョコレートにコアントロー(オレンジリキュール)をどばーっと注い...
本の話

『テレヴィジョン・シティ』(長野まゆみ)―Circulationを解いて

さあ、『テレヴィジョン・シティ』。 長野まゆみの“円環脱出系”作品の、これが最大難度じゃないか。上に行っても下に行っても、なかなか出口がみつからない。遠心力で壁に叩きつけられる。それでも外に出ようとする。 アナナスとイーイーは、《鐶の星》の...
イラスト

次回予告?

なかなか小説イメージイラストが上がらない。 かろうじて服のデザインなど。 イラスト本体も頑張って描いているんですが、この作品自体に思い入れが強すぎて、描いても描いても仕上がらない。あーあー。予想はしていたのだ。せめてラフを上げます。 長野ま...
寒宵堂雑記

春の大曲線(天体議会ぽいもの)

春の夜です。 北斗七星を見つけ、その「ひしゃくの柄」のカーブを延長していくと、うしかい座のアルクトゥルスを通り、おとめ座のスピカまでたどり着きます。天頂から南の地平線まで降りる、このやわらかくおおきなカーブを、春の大曲線と呼びます。 この画...
本の話

『少年アリス』(長野まゆみ)―卵の円環

親友と夜中の学校へ忍び込んだアリスは、そこで行われているもう一つの授業を目にする。見知らぬ生徒たちに、奇妙な授業内容。アリスは、偶然ポケットに入れていた石膏の卵のせいで、なぜか彼らの仲間と間違えられ、授業に加わるが……。 かつて、私の通って...