夏至、薄水青のリボン

 今日の日没は午後7時18分。ここ、北の町では、薄明の時間が長く続きます。
 この時期になると読み返したくなる長野まゆみの『夏至祭』より、黒蜜糖です。

薄水青のリボンを結んだ少年、黒蜜糖

(可愛く描きすぎたかなー、と思いつつ、『夏至祭』の黒蜜糖は私の中ではこんなです。溌剌としている。) 
 黒蜜糖と銀色と名乗る二人の少年が、近所の空き家に突然越してきます。少年たちだけで暮らしている彼らは、半夏生の晩に開かれる集会に参加するために来たのだと言う。月彦は不思議に思いながらも二人と次第に仲良くなり、集会に招かれます。

「集会をする場処の入口は羅針盤の方位計でしか見つけることができないんだよ。その入口には棠梨の花が咲き乱れていて、くぐり抜けると深い林に囲まれた広場がある。集会はそこで開かれるのさ。」

長野まゆみ著『夏至祭』文庫版p.63より

 ……うーん、それさ、人間が入っていいやつ?

 やがてこの物語が元になって書かれる『野ばら』ほど読み心地が恐ろしくはありません。でも、花ざかりの棠梨(ずみ)をくぐった先の、白いテーブルに料理が並び人々が笑いさざめく集会は、やはりどこかしら、この世の人間が見てはいけないもののような気がするのです。

 この季節の穏やかな薄明に紛れてやってくるものなのでしょう。そして薄明の中へ帰っていく。

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◆以前描いた、凶暴なほうの(……)黒蜜糖。

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