長野まゆみ

本の話

『少年アリス』(長野まゆみ)―卵の円環

親友と夜中の学校へ忍び込んだアリスは、そこで行われているもう一つの授業を目にする。見知らぬ生徒たちに、奇妙な授業内容。アリスは、偶然ポケットに入れていた石膏の卵のせいで、なぜか彼らの仲間と間違えられ、授業に加わるが……。 かつて、私の通って...
コラム

月彦のシャツ

前の記事 『野ばら』(長野まゆみ)―野ばらの垣根の向こうには のおまけ。 2015年に描いた『野ばら』の雑誌投稿用イラストです。 何も考えずにヌーベルのパステルで塗りましたが……この2015年夏号のかつくらで、画材にも投稿向きのものとそうで...
本の話

『野ばら』(長野まゆみ)―野ばらの垣根の向こうには

野ばらの白い花が咲くこの季節になると読み返したくなる作品です。 野ばらを丹精している家は少ないけれど、ふと見つけるとうれしくなります。可愛い花だ。この垣根をくぐったら痛い痒い傷がいっぱいつきそう。 夢から夢へ覚めていく、不思議な眠りの中にい...
クッキング

ココア入り珈琲

午后の授業を終えた少年たちは、冬の休暇明け以来、久しぶりに鉱石倶楽部に立ち寄った。「来週のイオン・ロケット打ち上げ中継の観覧席、確保してくれて助かるよ。お礼に何か奢ろうか。」いつもどおり店台の椅子に落ちついたところで、銅貨がそう云うと、水蓮...
本の話

『天体議会 プラネット・ブルー』(長野まゆみ)―すきとおった夜天の下の孤独

冬の冴えた夜天を見上げる。シリウスを目印におおいぬ座を見つけ、その前足と後足であるβ星とζ星を結んだ直線を、水平線に向かって延長する。 りゅうこつ座の一等星であり、全天で2番目に明るい星であるカノープスの見つけ方です。 この作品を読んで以来...