本の話余録

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ルミらくがき、『黒い釜』試論

ここのところ図書館で天沢退二郎を返して、天沢退二郎を借りていく人になっています。 『オレンジ党と黒い釜』の冒頭の、謎の引き込み線の部分(不気味で大好きなのだ)だけ読むつもりで、最後まで全部読んでしまいました。これはいつかこのブログの“本の話...
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ケンタウルス、露をふらせ(2024残暑お見舞い)

藤井セントラル(札幌市中心部にある大きな文具店。画材も揃う)で、新しく発売になったHERBIN(エルバン)のドローイングインク を見つけてしまったのです。“Éclats(エクラ)”という。ただ、絵の具としてはとても……かなり高価なので、ずら...
紀行

「月光百貨店」と足穂の神戸

兵庫県芦屋市の「月光百貨店」で開かれた、“稲垣足穂オマージュ展2024 一千一秒奇譚”(会期2024年7月21日から8月4日)に行ってきました。 ちょうど関西に用事があったので、思い切って足を延ばしてみたのです。実は、芦屋もですが、神戸を訪...
コラム

月の暦―旧暦から見る長野まゆみ『夏至祭』

≪はじめに なぜ少年たちの集会は半夏生の夜なのか≫ 「半夏生」という不思議な響きの日を私が知ったのは、長野まゆみの『夏至祭』による。まだ、全国のスーパーマーケットがこの日をめがけてタコを並べ出す前のことだ。 半夏生とは夏至の日から数えて11...
紀行

『神さまたちの遊ぶ庭』トムラウシに行ってきました

抜けるような広い空です。小鳥のさえずる声以外は、なにも聞こえない。 学校は午後の授業の時間でしょうか。しんとしています。 宮下奈都のエッセイ『神さまたちの遊ぶ庭』で描かれる、ここが、トムラウシです。 一目見てみたかった。 たしかに「景色が神...
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木漏れ日/木下闇

木漏れ日を描こう、と思い立って始めたのだけど、本当に描きたかったのは木下闇の方だったかもしれない。人物の顔のほとんどを、陰に入れてしまう。視線も闇の方を見てもらう。そのほうが眩しくないしね。有栖川有栖著の“学生アリス”シリーズより、江神さん...
カード

クリスマスカード(アビと宵里とコンパァトメント)

今年のクリスマスカードです。長野まゆみ著『天球儀文庫』より、アビと宵里を描きました。 クリスマスの朝、特急プロキオンのコンパァトメントを占領して休暇に向かう二人です。宵里はカードゲーム強そう。相手のスキをついていきなりあがりそう。 短編“夜...
カード

晴明と博雅(残暑お見舞い2023)

残暑お見舞い申し上げます。 立秋を過ぎると、夏も、猛々しいだけではなくて、少し哀愁を帯びてくるのが味わい深い。 いや、実を言うと描いている途中で残暑見舞になることが確定した(=暑中見舞の期間に間に合わないとわかった)ので、ちょっと焦りました...
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夏至、薄水青のリボン

今日の日没は午後7時18分。ここ、北の町では、薄明の時間が長く続きます。 この時期になると読み返したくなる長野まゆみの『夏至祭』より、黒蜜糖です。(可愛く描きすぎたかなー、と思いつつ、『夏至祭』の黒蜜糖は私の中ではこんなです。溌剌としている...
紀行

湿地展に行ってきたレポート

札幌市の北海道博物館で開催された「あっちこっち湿地」展(2023年2月25日-5月28日)に行ってきました。 湿地好きとしては、普段やっかいものになりがちな湿地が、特集されて親しみやすく展示されているというだけでも嬉しい。本で読んだことしか...