学園もの小説が好きです。
といっても、部活がんばって全国大会に行ったり、甘酸っぱい初恋があったり、将来の夢と希望にあふれていたり…しないやつですね。
学校とは奇妙な場所だと思うのです。
表向きは、ベクトルが(指向が)実社会に向いています。
生徒に社会で役に立つような知識・技術(ほかに礼儀や道徳や社会性などなど)を身につけてもらって、最終的に「卒業」で送り出す。そうでなくてはならない。
しかし一方で、そこだけで世界が完結する閉鎖性も備えています。
実社会を遮断して、独自の理想やルールで支配された一つの国である。良かれ悪しかれ。
お寺の境内や神社の裏の森と同じくらい、学校は異界じゃないでしょうか。
さて。
そんなわけで、前置きが長くなりましたが、学校の異界性を描いた学園ものとして紹介したいフランク・ヴェデキントの『ミネハハ』です。
奇妙な入学方法、奇妙な授業体系、奇妙な行事。森の中の、少女だけの学園。
世に「謎の学園」を描いた小説多けれど、ここまで実態がつかめないのは…たぶん人身売買目的だと思うんですけど。そういう残酷なストーリーがおそらく水面下にあって、しかし作品全体は神秘的で仄明るい、不思議な美しさをもっています。
どこかしら、見てはいけない美しさです。

上のイラストはこの本をイメージして昔描いたもの。
このころまだマスケットインクを持っていませんでしたから、白い人影のところはマスキングテープを少女の形に切りぬいて…切り絵のようにひとつひとつカッターで…それを貼って白抜きしました。
だからところどころテープの破れ目に絵の具が入ったりしていて、マスクが完璧じゃないんですよね。意図せず、白昼夢感が出てます。




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