かぜ と なり たや
川上澄生“初夏の風”より
はつなつの かぜ と なり たや

近所に、とても風情のある廃屋があります。開拓のころからあるようなたたずまいの木造家屋です。
うっそうとした庭で、ハゼやイタヤカエデが青々と葉を繁らせ、クルミも青い実をつけています。
杉板の塀の向こうに、母屋のガラス窓がちらりと見えます。あれは台所かな。古いガラスに緑陰が映り込んできらきらと光っています。
いい季節です。
秋になるとこれがいっせいに紅葉するので、密かに「紅葉屋敷」と呼んでいるのです。
紅葉屋敷、あ、廃屋じゃなかったらごめん。



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