『ルナティックス 月を遊学する』(松岡正剛)―月がとっても青いから

 月だ。月だらけだ。めくってもめくっても、月ばかり現れる。

 こんばんは。これは松岡正剛の、月にまつわるエッセイ集です……そんな穏当な紹介では表現しきれないくらい、月の妖しい魅力がぎっしり詰め込まれていて、今にもページがびかびかと発光しそうだ。

 夜空に浮かぶあの天体が、いかに文化を作り、芸術に多くのインスピレーションを与えてきたことか。博覧強記の松岡正剛がずらりと並べてみせる古今東西の月に、圧倒される。ギリシア、メソポタミアやエジプトの神話の月。密教の月。シュルレアリストたちの月。SFの月。日本画に浮かぶ月。
 月の光とはこんなに強いものだったのか。

 この本は何年か前に買い、手元に置いて、時々ぱらぱらと拾い読みしています。
 一気に読むと月光の中毒量を超えてしまう。そんな気がします。

 私は満月が少し怖い。

 煌々とした満月は、きれいだけれど恐ろしい。あの満月の恐ろしさを、真正面から受け止められる書き手たちはすごい。松岡正剛も、宮沢賢治も、中原中也も、あと推理作家の有栖川有栖もそう。自分のなかのルナティックなもの、ファウルなものと折り合いをつけ、なおかつそれを表現にまで高められる人じゃないか。

 「月がとっても青いから」は菅原都々子の歌う昭和の歌謡曲で、「遠回りして帰ろう」と続きます。
 私なら、「月がとっても青」かったら、わき目も振らず帰宅します。連れがいようが置き去りです。
 実は狼男の子孫とかなんだろうか。

月を焼いて食ったり、えさを与えたり、ランプにしたりする

 ああ、こんな、おもちゃのような月なら恐ろしくないんだけどな。

三日月と兎の型で抜いたクッキー

 これは、この時期になると焼くジンジャークッキーです。型で抜きました。ハロウィンの季節に買った三日月の型と、復活祭の季節に買った兎の型なのですが、この二つを東洋的感性で組み合わせるとこうなる。

 並んで焼きあがると、ちょっとシュールで稲垣足穂っぽい世界に見えなくもない。

コメント

  1. 狗神 より:

    月に惑わされること、実際ありますね。
    科学的うんちくはわかりませんが、あやつのせいだ・・・なのだろう、と。
    多分・・・。
    きっと・・・。
    かもしれない・・・?
    モノローグの小旅行も、小気味良さ時々です。

  2. 石井 より:

    >>1 こんばんは。
     惑わされないように気を付けているのですが、月の本には惹かれますね。
     先日の夕方、自転車でちょっと辻を曲がるなり、レンガ倉庫の上に大きな月がボン!と出て心臓に悪かったです。あれはほんとに、何かやらかしそうな月でした。

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