北海道の夏は

 朝起きたらしとしとと雨が降っていたのでがっかりしたが、午後からは晴れ間が出た。空気が澄みわたり、丘の向こうまで、夕日に照らされてはっきりと見通せる。こんな日は早めに夕食をしたためて、イエイツの『ケルトの薄明』でもめくりながら、長い夕方をのんびり過ごすに限る。
 爽やかな夏至の宵です。

英国メイドさんとウェッジウッドのティーカップ

 以前、何気なく歳時記をめくっていた時に、「北海道の夏は、どちらかと言えばヨーロッパのサマーに似ている」という一文があって、少し戸惑い(……だってそれなりに暑いよ)を感じるとともに、納得もしたのでした。そういえばこの本に出てくる「夕立」も「夏座敷」も「打水」も、あんまり縁がないな。
 北海道の夏は、長い薄明と、花の香りに包まれます。ライラックが終わるとアカシアが咲き、そしてラベンダーに移り変わるのを、まずその香りで気づかされます。

 イラストは私信より。ウェッジウッドの茶器が好きな友人のために制作したペーパーです。初夏のお茶会をイメージしました。ウェッジウッドの苺の絡まるティーカップ、“ワイルドストロベリー”は、春ではなくて、この「サマー」のために作られたんじゃないかな。

 ところで、英国のお茶会と言えばメイドさんだろう、となんとなく描き始めた結果、自分は絶望的にフリルが描けないということに気がついた。

コメント

  1. 狗神 より:

    ユメピリカが市場に出回ろうか、と云う時期でした。あの当時私は、東京と北海道を毎月行き来していまして(プライベートの用件)、北海道の夏を幾度か過ごしましたが、はじめて過ごした時の率直な感想としては、
    「なんだよ、普通に暑いよ・・・」笑
    しかし、過ごしやすい気候であることは確かだと感じましたよ。

  2. 石井 より:

    >>1
    北海道からお伝えします。釧路や根室など、一部の本当に涼しい地域を除いて、今年も普通に暑いです。ラベンダーがつぼみをつけ始めました。
     学生の頃は、夏に遠出をしていたので、いろいろな土地の夏を覚えています。夜になっても気温が下がらない、ふしぎな祝祭感のある東京の夏。背の高い木立から透明な木漏れ日がこぼれる長野の夏。強い日差しが屋内をほぼ真っ暗に見せる、まぶしい鹿児島の夏。「夏」といっても、土地の数だけ夏があるんじゃないかと思います。
     コメントありがとうございます。良い夏を。

タイトルとURLをコピーしました